これみよがし日記

感情の整理箱

女と男は一生分かり合えないのだ

パン屋に入ったら、塩バタークロワッサンが炊きたてだった。きっと熱々でサクサクして自分の五感を十二分に刺激してくるんだろうなと胸を膨らませて購入した。帰る頃、塩バタークロワッサンをチラリと見た。炊きたての札が立ったままだった。バンが永遠に炊きたてであるように、この世には嘘偽りの謳い文句が溢れている。騙されないぞと意気込んでいても、知らず知らずのうちに騙されている。みんなそうやって少しずつ自分の心に嘘をついて生きてきた。誰も責めてなんかいないのに、炊きたてが正義である世の中になってしまった。別にいいんだよ。冷めても美味しいから大丈夫だよ。誰かがそう言ってくれるのを待っているかのようだった。

 昨日バチェラーの3を一気に見た。実業家の友永さんを華麗な美女20人が奪い合うというハードゲームだ。一人の男を捕まえるために、あの手この手を使い、自分をアピールしていく。

いかに自分が相応しい相手であるということをデートの度に証明していく。バチェラーは一人一人に時間を作り、最高のパートナーを見つける。たくさんの魅力的な女性がいる中で、後半戦でパーティ中に自分が選ばれなれないなら先に切ってくれと言った女性・中川さんがいた。中川さんは最後に残った5人中だったら自分が一番相応しくない、選ばれないだろうと自らジャッチをした。友永さんも、中川さんの苦渋の決断に応えようとし、パーティ中に別れを告げてしまった。そのまま途中退室になり、中川さんはバチェラーの幕を閉じたのだった。

この時の気持ちは噛み合ってるようで噛み合ってなかった。友永さんは中川さんの気持ちに対して真剣に応えようとしたが、そんなこと求めてなかった。中川さんはたぶんあの時、労いの言葉が欲しかったはずで、そのことは顔によく出ていた。「そんなことないよ、ゆりには本当に感謝してるよ」って言ってもらいたかっただけだった。ただ疲れたから少しの弱音を吐いて、普通の男女に戻りたかっただけだったのに。でもバチェラーはこの舞台であることを忘れていなかった。そんな弱ささえ捨て去る覚悟で来ていたみたいだった。

とまぁ結末見ればその覚悟どこ置いてきた?という感じではあるのですが、とにかく真剣になればなるほど男女というものは分かり合えないし、交われないんだなと痛感した。人類の課題を毎回バチェラーで突きつけられるたびに私は考えていきたい。終わり。