これみよがし日記

感情の整理箱

7/26 動物園

今日はいい天気で、快晴で天にまで届きそうなくらい晴れやかでしょう。テレビから空元気のお姉さんが天気予報を伝えている。誰もがみて笑える滑稽さが売りなのか、から元気で空気をかき混ぜている。遠くから見てもカラッとした空気感が伝わってくるくらいだ。

テレビを流しみていたところ、携帯が鳴る。渋々出ると、スピーカーの先からやたら元気な柴田がいた。

「もう起きてんの?」

なんだこいつと思った。俺が起きていない前提で、起こそうと思って電話をしたのか、それとも俺が起きていないから、最悪の目覚めにしてやろうという悪戯なのか。どっちか分からないのも柴田の特徴だ。起きていようが起きてまいが、朝だろうが夜だろうが電話をかけてしまう愛くるしい柴田。

「うん、さっき起きた」

「じゃあさ、動物園行こうよ。今日パンダが出てくる日だからさ」

大きい男二人で動物園に行って盛り上がる構図が見えない。でも柴田は冗談で弄ってくるほど器用じゃないから、真面目に誘っていることは伝わった。ここで茶化したら大事故だ。ていうか、いつからパンダ好きだったんだ?こいつ。

「うーん…動物園なぁ。また今度なぁ」

「パンダ見たくないの?」

間髪入れずのパンダがきて、俺は少し狼狽えた。嘘やろ。これは恐喝だ。俺をパンダが見たいやつに仕立て上げる作戦だ。そんな簡単なトラップに引っかかってたまるもんか。柴田が熱量という武器で通してくるなんて相当行きたいんだな。

「まぁパンダ、また見れるかもしれないし」

「パンダの赤ちゃんもいるらしい。今日だけ」

柴田の押しに危うく呑まれそうになるも、片足で踏ん張る。パンダに興味ない奴がその赤ちゃんに興味あるか?まぁ確かに可愛いけど。動物の赤ちゃん大体可愛いけど。でも赤ちゃんを引き出しとして使うの卑怯だなと思った。

「動物園の匂いが苦手だからさ」

「じゃあ水族館行こう」

あっさりとパンダを切り捨てる柴田。俺と遊びたかっただけなのかな?もしそうなら、こいつはパンダより可愛い動物かもしれない。