これみよがし日記

感情の整理箱

無敵で無謀な女の子について

始発じゃないけど、朝早めの新幹線で名古屋まで向かった。多分7時か8時かそれくらいだったと思う。眠い目を擦りながらもホームで待機していると、お待たせしました〜と言わんばかりのスライディングでホームに到着する新幹線。あいつはいつもギリギリだ。待ちに待たされようやく乗り込むと、斜め前に女の子2人で隣同士で座っている。売店で買ったハンバーガーなんかを机の上に並べていて、如何にもこれから2人旅満喫するぞ☆という意気込みが感じられた。新幹線を使っての遠出だからか、自然と声も大きくなっていた。私はというと依然として眠さが拭いきれず、でも文字書かないとなと思っていたので、パソコン開いてカタカタしていた。今日は何書こうかななんて思いを馳せていると、斜め前が急に静かになった。あんなに楽しそうに話していたから何かあったのかなと視線をずらしてみると、1人の女の子が靴を脱いで座席の座る部分のところに足を置き、体育座りみたいにしてハンバーガーを食しているではないか。あっという間にマイホームの完成である。私は思わず見入ってしまった。出発からわずか数分のうちに公共の場を自分の家に変えてしまう速さに驚愕した。と同時に羨ましくもなった。彼女は無敵なのだ。友達と旅行に来ていること。そして旅の始まりであること。ハンバーガーが美味しかったこと。色んな肯定感が重なりに重なって、最強になってしまったのである。希望で溢れている人しか新幹線のスピードで体育座りなんてできない。出来っこないのだ。友達といるときの自分の無敵感は一番のエネルギー源であり、元気の源だ。どんなに失敗してもあなただからと包み込んでくれる母性が私たちを癒してくれる。社会は殺伐としていてどんな時も残酷だから、無条件の愛をどうしても求めてしまう。それを受け取ることが出来た時、私たちの感情は解放され、靴を脱ぐことが出来るのである。

そんなことを考えていたら、女の子はもう飽きて違うことをしていた。そっか。そうだよね。楽しいことなんてすぐに終わっちゃうよね。靴を脱いで、隣に好きな人がいて。あの時の彼女はきっと誰も邪魔することは出来ない。