これみよがし日記

感情の整理箱

心臓共鳴絶対的

下北沢で演劇を見てきた。正確にいうと上演中に撮影が入った時の映像を見た。いつ高二つと父母姉僕弟君を見た。(あってる?)演劇には馴染みはないけれど、漫才好きが高じて、生で演じるコントのようなコント以外のものが見たくて、それって劇じゃんと気付いてから劇場へ足を運ぶようになった。当たり前だと言えばそれまでなのだけれど、映像とは違った緊迫感、その場1回限りの唯一無二感。同じ公演が二度とないことも魅力的だが、それ以上に生身の人が大きい声を出しているところを聞けることの方が私は面白いと思っている。ライブに行けば、生身とは言え、大抵マイクを通しての音であるし、映画も結局スピーカーを通して人の声を聞く。人が大声で怒ったり、泣いたり笑ったりする姿を堂々と見れることはほとんどない。誰かの体温が空気を振動させて肌で感じることなんてないのだ。そしてその振動は自分の心にまで届き、震わせる。その一連の流れが人間というものに触れた気がして、尊くなって涙してしまう。とまぁ少々盛り過ぎなのではと言われそうだが、人の人生にたくさん関わることはアグレッシブで途轍もないエネルギーを秘めている。現世でそうなんだから、劇なんてとんでもない。2時間くらいで4、5人の人生に触れられる。演劇を見るということはエネルギー過剰摂取という儀式みたいなものなのかもしれない。エネルギーの大きさと手軽さが魅力的だ。館内で、簡単に得られない魂の叫びがあちらこちらで鳴っている。顔と体がぐちゃぐちゃになるまで叫んだ声は間違いなく人の心の隙間にすっと入る。その隙間に入ってきた声だけを私は今も信じている。