これよみがし日記

感情の整理箱

ほんとの声は

人を詰め込めるだけ詰め込んだ居酒屋の排気口から鈍い音が一定間隔で刻んでいる。生ぬるい風が肌を舐めるように伝う。道を行き交う人達が颯爽と歩いていく中、排気口の音だけが主張している。

最近、人がいる場所に顔を出すようになって人と話す機会がぐんと増えた。私は基本的に楽しくありたいと思っているから、なるべく面白いことを言ったり、ふざけてボケたりするようにしているのだけど、上手くいかないことが多くなった。自分のことを知っている人なら、あぁいつものことかバカだなぁくらいに思ってくれるけど、初対面となると何やってんのこの人で止まり、その先何の発展もなく終わってしまう。仲良くなりたくてそうしているのに、なんだか反対方向に行ってしまう。やればやるほど遠のいてしまう現実に悲しくなる。でもふと思ったのだ。もちろん相手のことを思って細心の注意を払って言葉には気をつけているから、意図して攻撃したりはしていない。表現が稚拙ということもあるかもしれないけど。(受け取り方の違いから傷つけてしまうときはあるかもしれないが)となると、これは受け取り手が勝手にごにょごにょと解釈を都合の良いように変えているのではないのか。思い返してみれば、発する言葉に対して真面目な受け答えを受けることが多くて、そういうことが言いたいんじゃないんだよなぁとなることが何度もある。今のは冗談だし、話が面白くなるように事実に基づいて誇張しているのであって、そんな本気で思ってないよ、と訂正したくなる場面がある。話した言葉や書いてある文字通りのことをそのまま言っていることの方が少ないはずなのに、その裏側にある気持ちを汲み取ることはなくなってしまったのだろうか。「好き」な時に「好き」ということ、「好き」だけど「嫌い」っていうこと、「明日会いたい」けど「会いたくない」ってあべこべしてしまうこと。どれも音や響きは違うけれど、全部あなたと向き合っているよと伝える言葉たち。私たちは気づいたら言葉に左右されて本当のことを見失ってしまうようになったのかな。目の前の人の気持ちも分からずに、そこにある言葉だけを信じるようになってしまったのだろうか。想いはいつだってシンプルで突然現れる。だから、その瞬間を抱きしめてあげられるように、準備満タンで待ってたいね。