アポ日記

感情の整理箱

アイドルと憧れの話

ここ近年でアイドルという概念が多様化して、色々な種類のアイドルをお目にかかる機会が多くなった。可愛くて笑顔いっぱいの王道系から、引きこもりで人前に出るのが苦手なアイドルまで、バリエーションが豊富になってきていて、ちょっと目を離したら新グループができている印象が強い。そしてウケているのは後者だったりしてそれもそれで興味深かった。

小さい頃からアイドルが好きで好きでたまらなかった子供ではなかった私は、どちらかというとその様子を遠くから見ていた側の人間だった。あの人が好きなんだねーなんて名前すらもうろ覚えで誰がいたかなんて全員言えなかったし、友達の好きな人くらいのふわっとした認識だった。あの頃はまだアイドルとは、という定義があったし、神聖なる領域という感じで気安く触れてはいけないような感じだった。だけど、そんな壁も壊れてしまって今となってはアイドルかどうかの境界線も怪しい時代になり、隣にいてもさほど不思議ではないくらいなものにまでなった。今はアイドルといえばいつでも会えるものであり、ふらっとカフェに立ち寄るくらいの気軽さがある。予定と時間とお金があれば、いつでも行ける。会えないフラストレーションだってすぐに解決できてしまう。きっと今は会いたくて会えない環境が作ることの方が難しくて、自分の意志さえあればどこへだって行けてしまう。会えないことで拗らせてた感情なんて知らないかもしれないと思うと少し寂しい。

ネットは物心ついた頃からあったけれど、スマホはまだなくて、今みたいな便利さはまだなかった。だからアナログ的な感情を持つことを経験してきたし、田舎と都会の区別みたいなものが存在していた。なんでも手に入る華やかな都会は憧れの対象だったし、アイドルもその部類に入るのだと思う。好きな人で頭を埋め尽くしている時間が長くて、会いたい会いたいって思える人がいて、会えた瞬間に優しくなれた気がしていた。現実と夢の境目みたいな、喜びと寂しさとまたにくる惨めさが入り混じる気持ちに襲われることはもうないんだろうな。

もちろん会いたい人だけでなくて、自分の中での不動の最強な人だったり、こうなりたいという理想像だったり、そんな人たちにも思いを馳せていた時間も同じだった。人として最強すぎる、現実にはいないタイプの人間が存在しているという事実を知ることができ、そして定期的に情報を得られることがすごく嬉しかった。それはテレビや雑誌、ラジオなどいろんな媒体から見ることができて、映像や文字を通して伝わる人の熱を受け取れた。頻繁に見られなかったから、そうしたものを集めるのは自分の好きを積み上げてる感じがして好きだった。あの時溜めたような気持ちは現代だとどこに当てはまるのかを最近考えているけど、まだ見つかっていない。あの環境、時代特有のものであって再現性はないのかもしれないな。そんな今、検索しすぎたせいで、スマホの熱で火傷しそうです。